『トットちゃん!』
『トットちゃん!』は、テレビ朝日系の『帯ドラマ劇場(シアター)』で、2017年10月2日から12月までの予定で放送されています。
『やすらぎの郷』は半年でしたが、3ヶ月のこの番組。面白い!
半年にした方が楽しかっただろうけど、徹子さんの半生を、凄い勢いでナレーションで駆け抜けて行っています。
徹子さんの力でしょう、もの凄い主役級の面々が1日〜2日顔を見せて、贅沢に番組を飾って行きます。
黒柳朝さんを松下奈緒、大人になった徹子さんを清野菜名さんが演じてます。
お二人とも大熱演です。
松下奈緒さんは昭和の妻を演じさせたら天下一品です。
『ゲゲゲの女房』を思い出します。
夫にかしづかえていながら、その家庭を実質的に廻している、今はいないタイプ。
『サザエさん』のフネさんもそうですよね。
黒柳守綱さん役の山本耕史さんが、またちょっと偉そうな昭和の夫(バイオリニスト)を淡々と演じています。
大熱演です。
淡々と大熱演するこの俳優さんは、名優なんじゃないかと思って来ました。
清野菜名さんは、子役の豊嶋花ちゃんから切り替わっても、違和感のない透明感で、徹子さんを演じています。
彼女がビックリして「あらま」というところ大好き。
大石静さんの脚本もいいんでしょう。
意地悪な人もただの意地悪にしないところが素敵だと思います。
良い人を書くのは簡単そうだけど、意地悪な人に奥行きがあるのはとても難しい事だと思います。
朝さんの実家の病院の看護婦さんや、同じ音楽学校の井川咲子さん(趣里さんの大熱演!)の意地悪になってしまった感じが切ないです。
全60回なので後20回ほどで終わってしまいます。
『徹子の部屋』の後に放送されているので、清野菜名さんと今の徹子さんが重なります。
徹子さんはトモエ学園の小林先生やNHKの大岡 龍男さん、飯沢匡さんの
「あなたはそのままでいいんです」という肯定の言葉に後を押され、そのまま生きてこられました。
ほどほどの所で軌道修正していたら、(事実何度もその危険はありました)いまの徹子さんがいらっしゃらないと思うと、先生や親が扱いやすい子どもを育てたい、集団教育の恐ろしさを感じます。
彼女が大人(その中でも稀に見る識者)にここまで許されたのは、彼女に純粋な善があったからで、そこは見間違えてはいけません。
でも、日本の子どもは、学校と家庭でひとつかふたつの価値観で押し固められて、ゲームという一つのプログラムで間違いのないひとつの答えを探させられて、受験というゲームに飛び込まさせられています。
辛いよね?
私たちの時代(今から50年前!)は、相手の顔が見えなくなるまで遊んで、山ほどの発見と思い通りにならなさと山ほどの違う結末を見ることが出来ました。
毎日は、全然違う思いを連れて来たし、たくさんの身体を動かす遊びをしたので、ルールを子どもたちが作るのが上手かった。
今は、子どもたちが学校で鬱屈しているのを、さらに学童でルールを課す大人もいて、まぁ子どもはやってられませんよ。
低学年くらいはあほな顔して笑ってていいのにね。
徹子さんは大人になるまで笑って過ごせて良かったね。
人間はデコボコで良いんだよ!
『トットちゃん!』はそう教えてくれました。
あと20回、楽しみにしています!