夢中霧中道途中

なにかにどっぶりはまりたい

気になる家

犬の散歩コース、池の脇に、不思議な家がある。

1年半前、いやもっともっと前から気になっている家。

2階の窓に服がいっぱいかかっていて、いかにも誰も足を踏み入れていないという感じがして、印象に残っていたんだけど、犬がどうしてもそのうちの前を通りたがらないので、毎回引っかかりながらもすぐに忘れていた。

 

一年半前の1月、たまたま見かけた玄関先、踏石の真上にプリンターが落ちていた。

置いてあるんじゃなくて、落ちてる感じが異様で、思わず嫌がる犬を引きずって家の前に行くと、荒れた玄関先に小さな門松とお正月飾りがかかっていた。

1月も末だったから、それもまた何だか変。

歳神様が寄ってくれそうもない状況で、縁起を担ぎたいんだかわけがわからない。

それから数ヶ月もお正月飾りはそのまま。プリンターもそのまま。

今から半年前からは、玄関ドアが開けっ放しになっている。真冬からずーっと。

そして今日見たその家は、完全に蔦に覆われてしまっていた。

 

半年前に女の人がその家に向かったのを見たので、人が住んでいるのかと驚愕したんだけど、何しろ、散歩コースを外れるので、それ以上の事を見聞きできず、また忘れてしまう。

 

凶眼の持ち主がどこかから覗いているような、そんな気持ちがして、ゾッとするんだ。

 

それだけ。